大判例

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東京地方裁判所 昭和31年(レ)49号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕本件の債務名義は調停調書であるが、その条項中に、被控訴人の前主大関竹三郎は控訴人に対し宅地三百八坪一合四勺を代金四十五万円で売渡すこと、右代金の内金十万円は昭和二七年一月末日限り、残金三十五万円は同年二月二〇日限り支払うことと定められ、次いで控訴人が右代金を期日に支払わないときは前記売買契約は何等の通知催告を要せず当然解除となり、この場合には控訴人は前記宅地の一部をその地内にある控訴人所有の木造トタン葺半地下壕を収去して明渡すべき旨の定めがある。大関の承継人たる被控訴人は右代金の支払なしとして本件執行文の付与を受けたが、これに対して控訴人は、右売買代金を遅滞なく完済したから強制執行をなしうべき条件たる事実が到来していないに拘らず、これが到来したことの証明あるものとして執行文を付与したことは違法であると主張した。

判決は次のように説いて控訴人の主張を排斥した。曰く、「民事訴訟法第五百十八条第二項の条件とは、債権者において挙証責任を負担すべき条件たる事実のみを謂うものと解すべきである。本件調停調書前記(ハ)の強制執行に関しては、その条件である前記売買代金支払債務の不履行の事実について債権者(被控訴人)がその挙証責任を負担すべきではなく、債務者(控訴人)が右売買代金を遅滞なく完済したことについて挙証責任を負い、これを証明して右執行を免れるべき性質のものである。けだし、もし反対に解するとすれば、本件の如き債務名義の場合においてはその執行文を求めるにつき債権者に殆んど不可能な挙証の責任を負担させることとなり、事実上おおむね五百二十一条の訴によらなければ執行文の付与を受け得ないという不当な結果を生ずるからである。従つて前記債務不履行の事実は五百十八条二項の条件に該当しないから、これが右条件に該当することを前提とする控訴人の本訴請求はその余の点について判断するまでもなく理由がない。(控訴人は本件を請求異議の訴に変更することができたのであるが、前示口頭弁論期日に欠席して之を怠つた)」

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